​イタリアのバイオリン職人アントニオ・ストラディバリウスが作った名器「ストラディバリウス」

300年以上も昔に作られたにもかかわらず、現代の科学をもってしてもその製作工程を解明することができないことから、「神秘の楽器」と称されています。


一般にバイオリンの表板にはスプルーストウヒという柔らかい木が、裏板にはカエデのように固い木が好まれます。

ストラディバリウスの裏板に使われているのは、カエデの仲間のなかでも美しいカーリー杢をもつ最高級のシカモア材です。


長い間、聞く人をほれぼれさせる音色の秘密はニスにあると考えられていましたが、米コロンビア大学の気象学者たちが「均一な木目が音質に影響している」という新説を発表しました。


アントニオ・ストラディバリウスがバイオリンを作っていた頃、欧州一帯を「小氷河期」という寒冷な気候が襲い、木の成長が遅れたことから密度の高い特別な材が手に入ったというのです。


ストラディバリウスの音色は、天からの恵みだったのかもしれません。